2018年02月14日

くだまつ笠戸島アイランドトレイル2018


『やらない後悔 やった失敗』・・・ランナーを鼓舞するため、コース上の樹々に掲げられたメッセージの一つに、こんな言葉がありました。「やらずに後悔するよりも、やって失敗した方がいい」という意味なのでしょう。

やらない後悔2.jpg


2月11日(日)は、山口県下松市の笠戸島で開催された「くだまつ笠戸島アイランドトレイル2018」のロングの部に参加し、30キロのトレイルを走ってきました。
この大会のプロデューサーはプロトレイルランナーの奥宮俊介さん。彼がプロデュースしたものでは、一昨年以降「三原・白竜湖トレイルランレース」「可部連山トレイルランinあさきた」「瀬戸内アイランドトレイル in 呉・とびしま」の3大会へ参加しています。彼は奥さんが広島県の出身ということが縁で、中国地方でも幾つかの大会をプロデュースしているのですが、いずれもスムーズな運営、充実したエイド、地元への高い浸透度など、どの観点から見てもすばらしいものでした。なかなかタフなコースではあるものの関門時間はタイトでなく、ファンランにも対応した優しい大会ばかりです。



さて、笠戸島へはわが家から車を走らせると、ノンストップで行っても約4時間。だいぶ遠いところにありますが、「奥宮さんの大会ならハズレはないはず」と、勇んで出かけました。

と言いたいところですが実は、移動した前日の土曜日は、目覚めたときから少し喉が痛く、頭もぼんやりしています。「たぶん風邪を引いたのだろう」と、気持ちはややトーンダウンしていましたが、症状は微々たるものだったのでさほど迷うことなく出発し、笠戸大橋を渡って現地に入りました。

笠戸大橋.jpg

前夜祭では、地元の吹奏楽団の演奏や奥宮さんのトークを楽しみます。

前夜祭.jpg



中央のテーブルには豪華な料理が並んでおり、その中には特産の“笠戸ひらめ”の造りもありました。
ところが、何を食べても味が感じられません。誤解のありませんように。これは決して料理がまずいのではなく、風邪のために私の味覚が鈍くなっていたということです。
パーティーは立食形式でしたが、少し体もだるく、長く立っていたくなかったので、早めに切り上げて市内のホテルへ向かいました。


食事2.jpg

ホテルでは熱目の風呂にさっと入り、体調の回復を願いながら午後8時過ぎには早々と眠りにつきました。



翌朝に目覚めたときは、喉に加えて鼻の奥にも痛みが広がっていました。症状は前日よりも、少し悪くなっているようです。
しかし、走ることに支障があるほどではなく、これだけでは出走をやめる理由になりません。
それよりも、この日は列島に今シーズン何度目かの強い寒波の襲来が予報されており、帰宅が夜になれば自宅のある山陰地方もかなりの積雪になる可能性がありました。こちらの方も心配だったので、大会参加は諦めてすぐに家路につくという選択肢を、一応テーブルの上に載せてみました。
しかし、5時間近くもかけてわざわざやってきたのに、走らずに帰るなんてあまりにも虚しすぎます。この日は、前日の夕方まで降っていた雨も上がって曇りの予報。気温は低くなりそうでしたが、ランの条件としては悪くありません。「もし風邪のために不調になれば、早めにリタイアして帰ろう」と考え、とりあえず会場の「はなぐり海水浴場」へ向かいました。
その時点ではまだ見ていませんでしたが、コース上にあった『やらない後悔 やった失敗』というメッセージは、すでに私の心へ届いていたのかもしれません。

会場では着替えとトイレに手間取ったため、開会式には少し遅れての参加でしたが、奥宮さんの指導によるストレッチ体操で、体をしっかりほぐしました。



開会式.jpg

ストレッチ.jpg



スタートは2組に分かれたウェーブ方式。私は、午前8時30分スタートの1組目です。


スタート.jpg

はじめ1キロほどは上りの舗装道路を走り、大きな恐竜のモニュメントのところで、歩道橋を渡りました。



恐竜.jpg

その後、「家族旅行村」という広い公園へ入っていきますが、ここはずっと上りの階段と坂が続きます。

公園1.jpg

標高を上げたところでは、足を止めて眼下の景色を写真に撮っているランナーも、何人かいました。

公園から展望.jpg

そしてこの後は、トレイルの厳しい登りと、

登る1.jpg

きつい下りがありました。

下る2.jpg

この大会のコースは、ゴールまでに200メートル前後のアップダウンを6回ほど繰り返す設定になっています。2つ目のピークあたりが白浜エイドでした。

白浜エイド.jpg

この時点で、スタート後まだ1時間あまり。距離も6キロほどしか来ていないのに、スローペースの私は、15分遅れてスタートした第2組のランナーに、だいぶ追い抜かれています。これではいい順位でのゴールは、とても無理。「まあいいや。それよりなにかいただこう」と、ポタージュスープのカップをとります。するとあまりに美味しいので、おかわりももらいました。前夜祭では失っていた味覚は復活し、エイドの食べ物がとてもおいしくいただけます。これで、風邪を引いていることなど、すっかり忘れてしまいました。


ポタージュスープ.jpg

15キロ地点にある次の深浦エイドの間にも、2つの登りと下りが待ち受けます。きつい登りでは、そばのロープを掴むのではなく、地面に手をついて登ろうとしているランナーもいました。



手をついて登る.jpg

山中に、壊れかけたレンガの建物がありました。そばにいたスタッフに、「これは何ですか?」と聞いたら、「戦時中に大砲が置かれていた戦争遺構です」と教えてくれました。戦争を体験していない私は、とても意外な答えにびっくりするとともに、あらためて平和の尊さと走れる喜びを噛み締めました。


戦争遺構.jpg

深浦エイド近くの漁港では、恐竜以上に厳つい風体のおじさんが、げんこつを振り上げて待ち構えていました。しかし、決してその拳で殴りかかってくる訳ではなく、選手一人ひとりにハイタッチを求めていたのです。私も右手をさしだして、おじさんの優しい手のひらにふれました。
さらにその先では、寒風が吹きすさぶ中を、おばちゃんたちが大漁旗を振って応援してくれています。もう、嬉しすぎます。

げんこつおじさん.jpg

深浦エイドを少し過ぎたあたりの登り坂で、後方から追い上げてきた来た奥宮さんに抜かれました。すべてのランナーのスタートを見送ってから走り出した彼は、一人ひとりのランナーに声を掛けながら前へ出ていきます。
私を含め、このあたりの順位のランナーは皆、この登りを歩いていましたが、さすがに奥宮さんはゆっくりながら駆け上がっていきます。そしてその背中は、すぐに見えなくなりました。



抜き去る奥宮さん.jpg

コース半分を過ぎたあたりから、アップダウンがしだいに緩やかになります。遅ればせながら、ここでようやく調子が出てきた私は、抜かれる一方だった前半の遅れを、少しずつ取り戻すことをはじめました。

途中、竹林を抜けることろもありましたが、ここではまるでタイムトンネルを抜けていくような錯覚さえ覚えました。


竹林.jpg

24.5キロの本浦エイドでは、ちらつき始めた雪をもろともせずに声援を送ってくれるおばちゃん達の姿がありました。

本浦エイドの応援.jpg

そしてここでは、器から溢れそうなほど一杯入れられたふぐ汁が振る舞われています。熱々のこの汁を、フーフーしながら平らげるのにだいぶ時間がかかりましたが、ありがたく、そしておいしくいただきました。

ふぐ汁.jpg

ここを過ぎた終盤には、最後の一山が待ち構えています。「天狗の激坂」と言われるこの登りと続く下りを、根性でこなします。



天狗の激坂.jpg

このコースでは、美しい瀬戸内海を臨めるスポットもたくさんあります。ゴールが近くなった頃には空も晴れ渡り、きれいな海の色が印象に残りました。


瀬戸内海.jpg

ゴールゲートが見えたとき、咳が続けて3つ出たので、風邪を引いていたことを思い出しました。このとき『やらない後悔 やった失敗』という言葉を思い出し、「走ってよかった」と思いました。

ゴールの光景.jpg


ということで、さっぱりだったタイムと順位はともかく、首尾よく完走を果たした私は、冬用タイヤ規制がかかる中国道と松江道、それに山陰道を通り、午後8時過ぎにようやく雪国のわが家へ帰着したというものです。



高速道路.jpg



さて、振替休日だった翌日の月曜日は、喉と鼻の痛みに加え、筋肉痛とは違う背中の痛みも出てきたので、「いよいよ風邪の症状だ」と完全オフ。
火曜日は、4日ぶりに職場に出勤したところ、20数人いる同じ部署の職員のうち、半分近くが「インフルエンザか風邪」で休んでいました。マスクをした同僚から、「とのさんも気をつけてください」と言われたので、「インフルエンザでないことを証明しよう」と、午後に診療所で受診しました。するとなんと、そこで下されたのは「インフルエンザB型です」という、まさかの宣告。今週は、職場へ行くことができなくなりました。
『やらない後悔 やった失敗』・・・出走したことはまったく後悔していませんが、「それは失敗だったろう」と言われれば、返す言葉もありません。


(私の記録)

タ イ ム 5時間29分39秒
部 門 順 位 234位/365人(ロング男子の部・完走数)



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ラベル:トレイル
posted by との at 11:10| 鳥取 ☀| Comment(2) | 走る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月08日

雪上ウォーク八景



このところ当地の天気は、連日のように雪。2000年のパラリンピックシドニー大会のマラソン競技(視覚障害クラス) で5位入賞を果たした福留史郎さんは、私と同じ大山町民です。彼が走り仲間の飲み会の折りに、「走れないときは歩く」と言っていました。そのことを思い出し、ロード走が無理な雪の日には雪上ウォークをやっています。

30センチもある雪の上をブーツで“のっしのっし”と進むのですが、なかなか思うようにはいきません。それでもこれが結構おもしろく、はっきり言ってハマります。

おまけに、雪化粧の景色はとても新鮮で、心に残る光景をたくさん見つけることができました。ということで、勝手に作った『雪上ウォーク八景』を、下手な短歌もどきのものを添え、ご披露させていただくことにしましょう。(ジャジャーン!)

朝からの わずかな時間で雪冠り 車の脱出時間が要りそう

埋もれた車.jpg

山陰線 西へ真っ直ぐ延ぶレール 迷わず進めと我を鼓舞する
なんと、ここから4キロあまり先まで、“ま〜すぐ”続くのです。

線路は続く.jpg

首相殿 M学園ならいざしらず ここを掘ってもゴミは出ませぬ
ちなみにこの土地は、国有地ではありません。

安倍首相5.jpg

学校の 屋根から今にも落ちかねん 凶器になりうる六尺の氷柱

氷柱2.jpg

集団で 歩道を歩く児童らは 歓声上げて雪玉投げ合う

下校途中の雪合戦.jpg

不審者に 注意促す看板は 朝に夕に子らを見守る

看板には、「不審者注意!! おかしい変だ すぐメモを」と記されています。

不審者注意.jpg

見守りを 兼ねてのウォークと言いながら いかにも怪し我の出で立ち
以前、これと同じような姿でコンビニへ入ったら、2人の店員さんが一瞬で凍りつきました。

怪しい私.jpg

うす雲に 隠れゆきつつ落日は そろそろ時間と帰宅を急がす



雪の落日.jpg


【お断り】
ここで選定した八景は、いわゆる「○○八景」のセオリーにまったく準じていません。事後ながらご了承ください。(アハッ)





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posted by との at 00:30| 鳥取 ☁| Comment(0) | 非日常的な日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする