部門は、ダブルフルの84.39キロとシングルフルの42.195キロの2つありますが、私はダブル。文字どおりフルマラソン2つ分の距離ですが、「平地がほぼない過酷なコース」と言われるだけあってアップダウンの連続です。私のガーミンでの計測では、累積標高差が1,680メートルにもなっていました。
実はこのコース、2008年と2015年の2回参加した「萩往還マラニック」の250キロ部門のコースの一部と、6割か7割ほど重なっています。萩往還は今年の第30回を区切りとして終了しましたが、この大会でそのコースの一部を、懐かしみながら走ることも楽しみでした。しかし、萩往還の時にこの向津久半島へ入ってきたのは、一晩徹夜のランの後。その時のぼんやりした頭は、この半島の厳しいアップダウンを正確に記憶してはいなかったようで、今回はこのコースのハードさをあらためて認識することになりました。
スタート時刻は午前6時。ランナーたちが、油谷総合運動公園のグラウンドから一斉に飛び出します。
20分あまり走ると、左手には油谷湾。この日の天気は「午前中は曇りで午後から雨」という予報でした。海の色はどんよりしており、遠くにはこれから向かおうとしている大島が、やや霞んで見えました。
さてそれは、序盤に小刻みなアップダウンを繰り返した後で、小さな漁港を通り過ぎようとした時のこと。何たることか突然、右の鼻の穴に小さな虫が飛び込んできたのです。
実は私の場合、そのつぶらな瞳に虫が入ってきたことは、今までに何度かありました。また、口に入ったこともあります。しかし、鼻の穴に侵入されたのは初めての経験でした。
思うに、私はランニング中は普通、口呼吸をしています。ところが、稀に鼻呼吸になることがあるようです。思い切り走っているときは鼻呼吸では酸素の供給が間に合わないのでしませんが、ちょっと手を抜いたゆっくりペースの時は、鼻呼吸になることがあるようです。きっとこの時も、そうだったに違いありません。
しかもその虫ときたら、鼻の中でゴソゴソと動き回るではありませんか。何度か鼻から強く息を吹き出して撃退しようと試みるものの、敵もさるもの、易々と出て行ってはくれません。仕方がないので最後の手段とばかり、かぶっていたサロモンのキャップを取って鼻をかみました。
何を隠そうこのブルーのキャップは、2年前のUTMBに参加した時、シャモニーで「記念に」と買ったものです。その思い出のキャップが、今やティッシュペーパーの代わりとなって、鼻水にまみれてしまったのです。 哀しくって、情けなくって、キャップには申し訳なくて、私は思わず「チョーむかつく!」とつぶやいていました。
そうして、この一件でへこんだ心がまだ癒されないうちに、差しかかったのは笑うしかないような急な上り。ちなみに萩往還の時は、ここは逆方向から来て下る設定でした。
それでも、このコースのビュースポットの一つである俵島とその手前の棚田を見た時は、心がホッと和みます。
向津久小学校の子どもたちも、元気に声援を送ってくれました。
この後も、200メートル近い上りを超えていきます。
この日は、曇り空ながら意外にも蒸し暑く、かぶり水をするランナーも多くいました。
立石漁港にある立石観音には、そっと手を合わせて通り過ぎます。
さらに100メートルほどのきつい上りと下りをこなしたあと、元乃隅稲成神社(もとのすみいなりじんじゃ)へ差しかかりました。それにしても、123基の鳥居が並ぶ光景はまさに壮観です。
なお、ここを少し過ぎたことろが中間点になります。時刻は午前11時28分で、スタートしてから5時間28分たっていました。ゴール関門は19時、スタート後13時間なので十分余裕がありそうですが、後半には300メートル級1つと、200メートル級2つの大きな上りが控えており、これ以降が文字通りの山場。油断は禁物でした。
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ラベル:ウルトラ
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