この上りをようやく超えたところには、噂に聞いていた特大のエイドがありました。ここのメニューについて、ランネットの前年の大会レポでは「豪華すぎる」「あれだけ食べると後が大変なことになりそう」「豪華で人が多すぎて気後れする」など、他では聞かないような評価がなされています。楽しみのようでもあり怖いようでもあり、心は揺れていました。
大きすぎるおにぎりか、それとも大盛り過ぎるカレーライスか、どちらをいただくべきか迷いながらキョロキョロしている私の前に、スッと差し出されたのは鶏の串焼きでした。 これを1本いただいてパクリと食べたところ、チョー旨いではありませんか。そう言えば前日の受付でもらった大会パンフに、当地で長州どりや長州黒かしわなど、美味しい鷄を生産している深川養鶏の広告が出ていました。この串焼きはきっと、平飼いの鶏舎で5種類のハーブを飼料に与えられて育ったという例の鷄だったのでしょう。
これを食べてとっても満足したので、おにぎりのこともカレーライスのこともすっかり忘れ、このエイドを後にしたのでありました。
この後しばらく、全体的には下り基調ながら微妙なアップダウンを繰り返します。ここをまるで羽が生えたかのように軽快に走れたのは、焼き鳥のありがたい効果に違いありません。
そして次のエイドでは、「チーズコロン」なるものを初めていただきました。甘いお菓子だろうと思って口に入れたのですが、なんとこれは、カマンベール仕立てのチーズを魚肉すり身で包み込んだひとくちかまぼこでありました。いける味ですが、日本酒がほしくなります。
ところで、この日は午前中曇りで午後からは雨の予報でしたが、実際は昼前後から時折り太陽が顔を出し、午後に入ると日射しがいっそう強まりました。曇っていても蒸し暑いのに、予期せぬ紫外線の直撃を受けて干物になりそう。このところ暑い大会ばかりに巡り会っている私ですが、この日に限っては涼しい中を走れるものと期待していたのにまったく当て外れ。ちょっとむかついたので、「天気予報の嘘つき〜!」と、心の中で叫びました。
そんな中、見えてきたのは『はぐはぐエイド』という看板でした。
意味が分からないまま通り過ぎようとした次の瞬間、そばにいたうら若き女性が駆け寄ってきて、「ハグしま〜す!」と言いながらグッと私を抱きしめたのであります。
びっくりして卒倒しそうでしたが、冷静に考えればむしろ、私の強烈な汗の臭いと加齢臭(カレーライスの香りではない)で、彼女がむかついたのではないかと心配すべきでありました。
[写真は、私の次に通りかかったランナー]
65キロ地点の関門に来たのが、15時7分。ここの関門時刻は16時なので、余裕は53分ありました。なお、ゴール関門は19時なので、残り19キロを3時間53分で走れば大丈夫。普通ならここで完走を確信するところですが、この先にも上りが残っていたはずなのと、なにせこのコースは変化が大きく先の計算できないので、まだ安心してはいけません。
さて、ここを少し過ぎたあたりで、「追いついたー!」と言いながら、女性ランナーがスッと私の前へ出てきます。福岡県から参加のママさんランナーYUKIさんでした。
この大会で初めて出会った彼女とは、千畳敷を過ぎたあたりでしばらく併走した間に、少しだけ話をしました。その後、私が先行しましたが、ここで再び追いつかれたのです。底知れぬパワーを感じたのでYUKIさんに、千畳敷の豪華なエイドで何を食べたか聞いたところ、なんと、鶏の串焼き4本と小盛りながらカレーライス一皿を平らげたとのこと。串焼き1本でご満悦だった私の、数倍のパワーを蓄えていたことになります。
ウルトラマラソン初挑戦という彼女は、この大会に臨むために友人たちと行なったトレーニングのこぼれ話をしてくれました。私は、過去に参加したいくつかの九州の大会の思い出話などをしながら、同じようなペースで進んでいきます。
そのうちに、往路でも立ち寄って夏みかんをいただいた、おばちゃん達の私設エイドが見えてきました。ここでは、YUKIさんも往路で夏みかんをいただいたそうで、二人とも迷わず脚を止めました。再び夏みかんと、さらにおにぎりもいただいて、終盤に向けたエネルギー補給は完了です。
76.1キロ地点の関門エイドへは、16時49分に到着しました。ここの関門時刻は17時40分なので、余裕は51分。ゴールまでの8キロあまりを、2時間11分で完走すればOKなので、距離だけで計算すれば、歩いても間に合う時間です。
しかしここで目標にしたのは、ゴール関門時刻より1時間早い18時までにゴールすることでした。つまり、ここから1時間11分以内のゴールです。 YUKIさんに、「6時を切ることを目指そう」と発破をかけ、ペースを意識した走りに切り替えました。
終盤に入って歩きはじめたり、脚を止めてストレッチをするランナーも多くいましたが、YUKIさんと私は、ピッチを落とさずに走り続けました。
残り5キロほどになったところで、YUKIさんの仲間であるSHINYAさんが前を歩いていました。YUKIさんがはじめに声を掛け、次に私が「6時までにゴールしましょう」と誘うと、彼も走りはじめました。
この間、微妙な上りが2カ所ほどありましたが、苦しそうに息を弾ませるYUKIさんを「この坂はもうすぐ終わるはず。走ろう」と鼓舞し続けました。
こうして目標とした午後6時の7分前に、3人で一緒にゴールテープを切ることができました。
(私の記録)
タ イ ム 11時間53分16秒
年代別順位 20位/ 49人(60歳代男子エントリー数)
部 門 順 位 197位/399人(男子総合エントリー数)
総 合 順 位 232位/476人(総合エントリー数)
中間点タイム 5時間28分11秒(42.3キロ地点)
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ラベル:ウルトラ
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