2020年03月28日

新型コロナによる大会中止で、こんなに違う“配慮のあるなし”



2月16日に開催された熊本城マラソンでは、受付でランナーにマスクが配布され、ハイタッチ自粛の呼びかけがありました。同じ日にあった京都マラソンや北九州マラソンでも、同様の対応がとられたようです。それでもこの日までは、各地のマラソン大会は新型コロナの感染防止に気を使いながらも、粛々と実施されていました。

しかし、翌日の17日に事態は一変。実施を2週間後に控えた「東京マラソン」が、38,000人の一般参加者の出場を中止して東京五輪の選考を兼ねた200人ほどのエリート選手のみでの実施を発表したのです。市民マラソンの頂点にあるこの大会が出した衝撃のアナウンスで、一気に潮目が変わりました。以降は各地の市民マラソン大会に、“中止の嵐”が吹き荒れます。

東京マラソン中止.jpg

ということで、この後に予定されていた多くのマラソン大会が、急遽開催を取り止めました。ちなみに翌週の2月23日には、私が出たことがあるものだけでも、「宇治川マラソン」「姫路城マラソン」「そうじゃ吉備路マラソン」が中止となります。
なお、「西の東京マラソン」を標榜する「そうじゃ吉備路マラソン」は、直前の19日に市長さんが“開催”という勇気ある決断を表明されました。しかし、これに対しては国からの圧力があったとなかったとかで覆り、あらためて21日に「中止」が発表されます。
それでも、その当時の私の見込みは、3月と4月のランニングイベントはほぼ中止となるものの、5月の前半は開催と中止が入り乱れ、5月後半頃には多くが開催という流れになるだろうという楽観的なものでした。
しかしその後、感染が世界中に広がり、日本でも「オーバーシュート」とかいう聞き慣れない言葉が使われる事態となりました。コロナの終息が見通せない今、早くてもこの秋くらい、場合によっては来春くらいまでは、多くの大会の開催が望めないと考えざるをえません。

[中止になった2月23日の大会の一例]
中止の大会3.jpg

さて私の場合、3月から6月にかけて8つの大会へエントリーしていましたが、現時点でこのうちの6つは中止や延期となりました。この状況下ではやむを得ませんし、妥当な判断と言えます。
しかし、中止を決めた大会主催者のランナーに対する“配慮のあるなし”には、かなりの差があるようです。本稿では、これについて考えてみます。もちろん、今回は中止の理由が主催者に起因するものではないので、「申込規約に基づき参加料の返金はしない」というのがまずは基本であり建前であるということを、重々承知の上での考察です。

1.出雲くにびきマラソン大会
(開催日 3月1日・中止決定日 2月25日・参加費 3,000円)
対応:大会プログラム、参加賞の送付。


中止発表の直後に、参加賞の出雲ワインとタオルが送られてきました。何年か前に豪雪で中止になったときは、会場に行けば参加賞を渡すという対応でしたが、大雪の中を行けるはずがありませんでした。今回は、十分な対応をしていただいたものと評価します。

202002出雲くにびきワイン.jpg

2.神戸六甲縦走トレイル
(開催日 3月14日・中止決定日 3月1日・参加費 8,800円)

対応:5月16日に順延。これに参加不可能な場合は、2021年度の同大会への振替参加が可能。


適切かつありがたい対応です。ただし現下の状況で5月16日のコロナ終息は見込めそうにないので、私は来年の参加を予定しました。

3.広島湾岸TRAILRUN EAST47K
(開催日 3月22日・中止決定日 2月28日・参加費 16,000円)
対応:9月に開催される本大会『広島湾岸TRAILRUN 2020』の優先エントリー権付与(参加費は別途必要)。参加賞のオリジナルサコッシュを送付。本大会『広島湾岸TRAILRUN 2020』の参加費から3,000円減額。本大会への優先エントリーを希望しない場合は、参加費の一部2,000円をQUOクオカードにて返金。



私の場合、この大会へエントリーした目的は、完走して秋の本大会への優先エントリー権を得ることでした。したがって、確実かつ割引でそれに出られるというこの対応には満足です。

4.奥出雲ウルトラおろち100キロ遠足
(開催日 4月11日・中止決定日 3月4日・参加費 18,000円)
対応:申込規約に基づき参加料の返金なし。準備が整い次第、大会プログラム及び参加賞等を送付。前夜祭参加費及び送迎バス代は申込者へ返金。


中止の判断をギリギリまで延ばし、その決定が大会1週間前や2週間前だったというならわからないでもありません。しかし、開催日の40日も前に中止を決めながら参加費の返金がまったくないことは、はなはだ理解に苦しむところです。
2月27日に大会のHPとFBに、「3月4日に開催可否の最終判断をする」という予告が掲載されました。これに対してはエントリーしていた6人のランナーからFB上で意見が寄せられましたが、そのすべてが「決定が早すぎる」「ギリギリまで開催の可能性をさぐってほしい」との趣旨でした。私はこの告知を見たとき、「もし中止となるなら幾らかでも参加費を返したいので、早期に判断したい」という主催者の意図があるものと思いました。FBの声に主催者からの返答はありませんでしたが、それらを押し切って中止決定されたのにもかかわらず、私の推察も外れていました。

あの時期なら、大会プログラムの編集はある程度進んでいたでしょうが、印刷はまだまだ先のこと。参加賞のTシャツも、まだ全てができあがっていたわけではないでしょうから、違約金を払ってでも発注を止めることはできたように思います。さらには当日の会場設営や多量に必要なエイドの飲食物にかかる運営経費は、その大部分が浮くはずです。

「申込規約に基づき参加料の返金はいたしません」とのシラッとした一文は、この大会に3回参加して感じていた奥出雲の豊かな自然や地元の人の温かさとは、どうしても重ならないものでした。「奥出雲ウルトラおろち」は好きな大会でしたが、今後は少し、距離を置こうと思います。

奥出雲の中止.jpg

5.さくらおろち湖トレイルランニングレース
(開催日 4月19日・中止決定日 3月4日・参加費 6,800円)
対応:大会の準備にかかった費用を引いた差額を現金書留で返金。(5月2日追記:返金額 4,500円)



要項では参加料は返金しないと規定しているにもかかわらず、「返せるものは返す」という姿勢には主催者の良心を感じました。来年も必ず参加します。

[昨年の大会の様子]
牧場.jpg

6.えびす・だいこく100Kmマラソン
(開催日 5月24日・中止決定日 3月27日・参加費 10,000円)
対応:開催を1年延期。延期大会への出場を希望する場合は、優先出場権(抽選免除)を付与され参加費は次回大会へ充当。また返金希望者には、振込手数料を除いた全額を返金する。


もう、何も言うことはありません。ここまでやってもらっていいのでしょうか。私はもちろん、延期大会へ参加させていただきます。


[昨年のえびす・だいこくマラソンのゴールで]
恵比寿さまとの2ショット.jpg

さて、これでお仕舞いにしようと思いましたが、なにか気配を感じて玄関の方へ行ってみたら、郵便受けに1通の封書。見ると「出雲くにびきマラソン大会」の実行委員会からでした。この時期に何事かといぶかりながら封を切ると、中には「開催中止に伴う対応について」という文書と1,000円分の商品券が入っていました。
文書には、「中止の場合、参加料は申込規約によりお返ししないこととしておりますが、今回は、早期の中止決定による収支状況等から、参加料の一部をお返しすることといたしました」との記述。「早期の中止決定」と言っても、それは大会のわずか5日前。東京マラソンの中止決定から起算しても、13日しかありません。しかも、大会参加費はわずか3,000円と少額だったにもかかわらずです。

出雲の神様から授けられた、文字通りの“神対応”。すでに送ってもらっていた出雲ワインとタオルで十分満足していた私は、西の方角を向くとその場で膝を折り、おもむろにぬかづくのでありました。

商品券4−4.jpg


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posted by との at 20:08| 鳥取 ☁| Comment(4) | 走る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
奥出雲はちょっと残念な対応でした。参加費のうち2千円は会場で使える商品券なのでその分は少なくとも返せるのでは?と思いました。お金ではなくても商品でも・・・
きちんとした説明があれば1円も返ってこなくてもいいのですが、他の大会がランナーのことを本当に考えてくれているという思いが伝わってくるだけに、寂しい気持ちになりました。
私も距離を置くというか、距離が出来てしまった感じで残念です・・・
Posted by みーらん at 2020年03月31日 00:51
2020/3/29開催の、千葉県佐倉朝日フルマラソンも、中止。
参加賞を、各個人に送付を検討中、だそうです。

今年度最終ランキング対象大会。シルバーは、今年度ランキング、順位なしになりました。
Posted by シルバーアスリート日記 at 2020年04月01日 16:46
> みーらんさん

私も、納得できる理由とその説明があれば、1円も返ってこなくてもかまいません。今までに、台風や大雨、大雪等で大会が中止になった経験は何度もありました。そのほとんどが直前の中止判断だったので、返金がないことは当然のことと受け止めました。
一度だけ、大会1ヵ月前の台風でコースが荒れたために中止になったトレイルレースで、全額が返金されたことがあります。「全額まででなくても」と思いましたが、主催者としての心遣いには敬服したものです。
今回の奥出雲の場合は、確かに規約はそうなっているでしょうが、返金しない理由が「申込規約に基づき・・・」というだけでは、「なにそれ?」と思わざるをえません。
本当に残念な対応でした。
Posted by との at 2020年04月01日 21:27
> シルバーアスリート さん

「佐倉朝日フルマラソン」は、シルバー賞もあるみたいですね。出ておられれば、これも狙えましたのに、残念でしたね。
私はランキングには無縁なので、それはもともと気にしていません。しかし、多くの大会は秋ぐらいまで開催が難しくなりそうな気配なので、今後半年くらい、もしかしたら1年くらいは大会に出られないかもしれないと思うと、気が重くなります。

Posted by との at 2020年04月01日 21:41
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