6月26日(木)は、定点観測を目的に「ゴジラの背」へ行きました。香取から登山道へ入り、甲川を渡ってからは急峻な登りに取りつきます。前夜の豪雨の影響で、いつもは水を見ない登山道横の岩の斜面が滝のような流れになっている光景は、初めて目にするものでした。

そして、ようやくこれを登り切って尾根筋にタッチ。この地点が観測の目的地です。
3年前のこの日、同じルートを登ってきた4人の男性が、大山国立公園の特別地域内である当地に、「ゴジラの背」の命名者として個人名の入った標柱看板を無断で設置しました。設置者がこのことをSNS上に発信すると、当然のことながら多数の批判や疑問の声が起こります。これに対して設置者から設置の正当性と妥当性についての疑念を払拭させるような回答はなく、「環境省にお聞きされるのが一番いいかと思います! 親切で丁寧にサルにでもわかるご説明をしてくれます!」などというような、不誠実な対応に終始されました。
[設置許可の有無を尋ねる質問者への設置者の回答(2022年8月)]

これらのやり取りを見た私は、関係する複数の行政機関へ問い合わせ。そうしたところ、この地の管理権限を有する鳥取県から、この行為は「自然公園法違反」であり「公有地の不法占有に該当する」として、「設置者に対して(撤去を)強く指導した」という、サルでもわかる明解な回答がありました。その経緯は、2022年12月7日にこのブログで発信した『「ゴジラの背」の近くに設置された看板のその後』に記したとおりです。
[鳥取県からの回答(2022年10月)]
しかし設置者にはご理解いただけなかったようで、その後も県、環境省、森林管理局が連携して繰り返し行なった指導に従われることはありませんでした。そしてこの日も、当該看板は樹木の中に倒壊した状態で現存していることを、あらためて確認する結果になります。設置からとうとう3年になりますが、私はこの間、定期的に現地へ行って状況を確認するとともに、撤去を求める意見表明を自身のブログで6回発信してきました。その願いが未だに叶っていないことは、残念でなりません。
なお半年前に来た時は、標柱看板は尾根筋の登山道から甲川方向へ下る谷の急峻な斜面にへばり付くような形で、法面と垂直な位置にありました。しかしこの日は、そばの細い樹木の二股になったところに上部を乗せ、少し持ち上げられたような格好で、法面に平行な形で置かれていました。その意図はわかりませんが、この間に誰かの手によって置き方が少し変えられたようです。
[標柱看板の現状(2025年6月26日撮影)]

さて現在、看板は登山道から2mほど入った茂みの中にあり、よほど注意しない限り登山道からは見えなくなっています。そういう意味では景観を害する状態ではなくなりましたが、使われている木製の看板部分、硬質樹脂製の柱、コンクリートとプラスチックの基礎部分、金属の釣鐘などのすべてが、遠くない将来に自然に還ることはまずありえません。このまま現地に放置されている限り、これらの素材の大半は半永久的に自然環境を害し続けることになるでしょう。
[看板部分(2025年6月26日撮影)]
[土台と基礎部分(2025年6月26日撮影)]
ところで私は過去のブログ記事で、この標柱看板を「粗大ゴミ」とか「不燃粗大ゴミ」と表現して違法な設置を批判してきましたが、それは事実に基づく正当な評価であり必要な論評だと考えています。
そもそもこの違法看板は、構造的に標柱として必要な強度や耐久性を欠いています。設置者がSNSで発信したところによれば、高さ約2mのこの標柱看板を作るために現地へ持ち上げた材料は40キロとか。しかし、地下に埋設された柱の部分は、わずか15センチほどしかありません。約20センチと約30センチの2本の細い鉄筋も付属してはいますが、これでは「屁の突っ張り」にもならないでしょう。このようなお粗末な基礎では、それほどの大きさと重量のある構造物を、とても支え切れるはずがありません。それは素人目にも明らかです。実際は、地上部分の黄色いバケツ状のものに流し込まれたコンクリートの重みで、ようやく立ち上がっていたものと思われます。
[埋設された柱の部分はわずか15センチほど(2024年11月撮影)]
[附属する2本の細い鉄筋(2023年5月撮影)]
このような稚拙な構造からは必然の結果でしょうが、当該看板は設置から1年も経たない雪解けの時期に倒壊し現在に至っています。聞くところによると、設置者はこれを「何者かにより破損された」として犯人不詳のまま刑事告訴されたとのこと。その可能性がまったく無いとは言い切れませんが、現地の厳しい風雪に耐えられずに倒壊したものと考える方が自然でしょう。ちなみに設置者は、“風力テスト”をしたような発信をSNS上でしておられますが、その内容や結果についての説明は見かけたことがありません。
それにしても、設置者が「愛の鐘」と言っている付属の鐘を鳴らそうとした登山者が、倒壊に巻き込まれるような事態にならなかったのは幸いでした。
[風力テストをしたとの発信(2022年12月)]

さて、この日はほぼ快晴。ツツジが咲き誇るゴジラの背の風景を目では楽しんでいた私ですが、心にはやはりわだかまるものがありました。その中には、このような違法状態が3年間ものらりくらりと続いている現実に、呆れる気持ちもいくらかあります。
それでもいつの日か、この違法看板が国立公園内から完全に撤去され、あらためてゴジラの背やその周辺の自然が織りなすたくさんの美しいシーンを、素直な気持ちで愛でる日が来ることを、心から願っています。その時まで私はこの問題について、口を閉ざすことも、ペンを折ることもありません。
[ゴジラの背(2025年6月26日撮影)]
この問題の経緯と詳細については、下記の過去記事をご参照ください。★「ゴジラの背」の近くに設置された看板の撤去を望む(2022年09月10日)
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http://t-tono.seesaa.net/article/491375274.html★「ゴジラの背」の近くに設置された看板のその後(2022年12月7日)
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http://t-tono.seesaa.net/article/500042056.html★「ゴジラの背」の近くに設置された看板のその後のその後(2023年5月30日)
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http://t-tono.seesaa.net/article/500075036.html★【追求第4弾】「ゴジラの背」の近くに設置された看板の撤去を望む(2023年10月12日)
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http://t-tono.seesaa.net/article/501083012.html★【これで5話目】「ゴジラの背」の近くに設置された看板の“一刻も早い”撤去を望む(2024年6月17日)
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http://t-tono.seesaa.net/article/503678583.html★【第6話:3度目の冬を前に】「ゴジラの背」の近くに設置された看板の撤去を望む(2024年11月22日)
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posted by との at 17:56| 鳥取 ☀|
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