2018年06月18日

第2回 向津久ダブルマラソン(後半)

さて、アップダウンを繰り返すこのコースで、最大の難所と言えるのがここから始まる千畳敷への上りです。およそ5キロの間に300メートルも標高を上げるこの区間を、走っているランナーはほとんどいません。上りが好きな私でも、ひたすら歩くしかない激坂なのです。

千畳敷への上り.jpg

この上りをようやく超えたところには、噂に聞いていた特大のエイドがありました。ここのメニューについて、ランネットの前年の大会レポでは「豪華すぎる」「あれだけ食べると後が大変なことになりそう」「豪華で人が多すぎて気後れする」など、他では聞かないような評価がなされています。楽しみのようでもあり怖いようでもあり、心はユラユラ揺れていました。



千畳敷エイド(47.3キロ).jpg

大きすぎるおにぎりか、それとも大盛り過ぎるカレーライスか、どちらをいただくべきか迷いながらキョロキョロしている私の前に、スッと差し出されたトレーに乗っていたのは鶏の串焼きでした。
これを1本いただいてパクリと食べたところ、チョー旨いではありませんか。そう言えば前日の受付でもらった大会パンフに、当地で長州どりや長州黒かしわなど、美味しい鷄を生産している深川養鶏の広告が出ていました。この串焼きはきっと、平飼いの鶏舎で5種類のハーブを飼料に与えられて育ったという例の鷄だったのでしょう。
これを食べてとっても満足したので、おにぎりのこともカレーライスのこともすっかり忘れ、このエイドを後にしたのでありました。



串焼き.jpg

この後しばらく、全体的には下り基調ながら微妙なアップダウンを繰り返します。ここをまるで羽が生えたかのように軽快に走れたのは、焼き鳥のありがたい効果に違いありません。

微妙なアップダウン.jpg

そして次のエイドでは、「チーズコロン」なるものを初めていただきました。甘いお菓子だろうと思って口に入れたのですが、なんとこれは、カマンベール仕立てのチーズを魚肉すり身で包み込んだひとくちかまぼこでありました。いける味ですが、日本酒がほしくなります。



チーズコロン.jpg

ところで、この日は午前中曇りで午後からは雨の予報でしたが、実際は昼前後から時折り太陽が顔を出し、午後に入ると日射しがいっそう強まりました。曇っていても蒸し暑いのに、予期せぬ紫外線の直撃を受けて干物になりそう。このところ暑い大会ばかりに巡り会っている私ですが、この日に限っては涼しい中を走れるものと期待していたのにまったく当て外れ。ちょっとむかついたので、「天気予報の嘘つき〜!」と、心の中で叫びました。



日射しが強まる.jpg

そんな中、見えてきたのは『はぐはぐエイド』という看板でした。

はぐはぐエイド.jpg

意味が分からないまま通り過ぎようとした次の瞬間、そばにいたうら若き女性が駆け寄ってきて、「ハグしま〜す!」と言いながらグッと私を抱きしめたのであります。

びっくりして卒倒しそうでしたが、冷静に考えればむしろ、私の強烈な汗の臭いと加齢臭(カレーライスの香りではない)で、彼女がむかついたのではないかと心配すべきでありました。

[写真は、私の次に通りかかったランナー]
はぐはぐ.jpg

65キロ地点の関門に来たのが、15時7分。ここの関門時刻は16時なので、余裕は53分ありました。なお、ゴール関門は19時なので、残り19キロを3時間53分で走れば大丈夫。普通ならここで完走を確信するところですが、この先にも上りが残っていたはずなのと、なにせこのコースは変化が大きく先の計算できないので、まだ安心してはいけません。



65キロ地点の関門エイド.jpg

さて、ここを少し過ぎたあたりで、「追いついたー!」と言いながら、女性ランナーがスッと私の前へ出てきます。福岡県から参加のママさんランナーYUKIさんでした。
この大会で初めて出会った彼女とは、千畳敷を過ぎたあたりでしばらく併走した間に、少しだけ話をしました。その後、私が先行しましたが、ここで再び追いつかれたのです。底知れぬパワーを感じたのでYUKIさんに、千畳敷の豪華なエイドで何を食べたか聞いたところ、なんと、鶏の串焼き4本と小盛りながらカレーライス一皿を平らげたとのこと。串焼き1本でご満悦だった私の、数倍のパワーを蓄えていたことになります。
ウルトラマラソン初挑戦という彼女は、この大会に臨むために友人たちと行なったトレーニングのこぼれ話をしてくれました。私は、過去に参加したいくつかの九州の大会の思い出話などをしながら、同じようなペースで進んでいきます。
そのうちに、往路でも立ち寄って夏みかんをいただいた、おばちゃん達の私設エイドが見えてきました。ここでは、YUKIさんも往路で夏みかんをいただいたそうで、二人とも迷わず脚を止めました。再び夏みかんと、さらにおにぎりもいただいて、終盤に向けたエネルギー補給は完了です。

おばちゃんたちのエイド.jpg

76.1キロ地点の関門エイドへは、16時49分に到着しました。ここの関門時刻は17時40分なので、余裕は51分。ゴールまでの8キロあまりを、2時間11分で完走すればOKなので、距離だけで計算すれば、歩いても間に合う時間です。



76.1キロの関門.jpg

しかしここで目標にしたのは、ゴール関門時刻より1時間早い18時までにゴールすることでした。つまり、ここから1時間11分以内のゴールです。
YUKIさんに、「6時を切ることを目指そう」と発破をかけ、ペースを意識した走りに切り替えました。
終盤に入って歩きはじめたり、脚を止めてストレッチをするランナーも多くいましたが、YUKIさんと私は、ピッチを落とさずに走り続けました。

残り6キロ.jpg

残り5キロほどになったところで、YUKIさんの仲間であるSHINYAさんが前を歩いていました。YUKIさんがはじめに声を掛け、次に私が「6時までにゴールしましょう」と誘うと、彼も走りはじめました。
この間、微妙な上りが2カ所ほどありましたが、苦しそうに息を弾ませるYUKIさんを「この坂はもうすぐ終わるはず。走ろう」と鼓舞し続けました。



ゴールまであと少し.jpg

こうして目標とした午後6時の7分前に、3人で一緒にゴールテープを切ることができました。

3人でゴール.jpg


(私の記録)

タ  イ ム  11時間53分16秒
年代別順位   20位/ 49人(60歳代男子エントリー数)
部 門 順 位  197位/399人(男子総合エントリー数)

総 合 順 位  232位/476人(総合エントリー数)

中間点タイム 5時間28分11秒(42.3キロ地点)



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posted by との at 22:52| 鳥取 ☁| Comment(0) | 走る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月15日

第2回 向津久ダブルマラソン(前半)


6月10日(日)は、山口県長門市で開催された「向津久(むかつく)ダブルマラソン」に参加しました。


部門は、ダブルフルの84.39キロとシングルフルの42.195キロの2つありますが、私はダブル。文字どおりフルマラソン2つ分の距離ですが、「平地がほぼない過酷なコース」と言われるだけあってアップダウンの連続です。私のガーミンでの計測では、累積標高差が1,680メートルにもなっていました。

実はこのコース、2008年と2015年の2回参加した「萩往還マラニック」の250キロ部門のコースと、6割か7割ほど重なっています。萩往還は今年の第30回を区切りとして終了しましたが、この大会でそのコースの一部を、懐かしみながら走ることも楽しみでした。しかし、萩往還の時にこの向津久半島へ入ってきたのは、一晩徹夜のランの後。その時のぼんやりした頭は、この半島の厳しいアップダウンを正確に記憶してはいなかったようで、今回はこのコースのハードさをあらためて認識することになりました。



スタート時刻は午前6時。ランナーたちが、油谷総合運動公園のグラウンドから一斉に飛び出します。

スタート.jpg

20分あまり走ると、左手には油谷湾。この日の天気は「午前中は曇りで午後から雨」という予報でした。海の色はどんよりしており、遠くにはこれから向かおうとしている大島が、やや霞んで見えました。

油谷湾.jpg

さてそれは、序盤に小刻みなアップダウンを繰り返した後で、小さな漁港を通り過ぎようとした時のこと。何たることか突然、右の鼻の穴に小さな虫が飛び込んできたのです。

実は私の場合、そのつぶらな瞳に虫が入ってきたことは、今までに何度かありました。また、口に入ったこともあります。しかし、鼻の穴に侵入されたのは初めての経験でした。
思うに、私はランニング中は普通、口呼吸をしています。ところが、稀に鼻呼吸になることがあるようです。思い切り走っているときは鼻呼吸では酸素の供給が間に合わないのでしませんが、ちょっと手を抜いたゆっくりペースの時は、鼻呼吸になることがあるようです。きっとこの時も、そうだったに違いありません。

漁港.jpg

しかもその虫ときたら、鼻の中でゴソゴソと動き回るではありませんか。何度か鼻から強く息を吹き出して撃退しようと試みるものの、敵もさるもの、易々と出て行ってはくれません。仕方がないので最後の手段とばかり、かぶっていたサロモンのキャップを取って鼻をかみました。
何を隠そうこのブルーのキャップは、2年前のUTMBに参加した時、シャモニーで「記念に」と買ったものです。その思い出のキャップが、今やティッシュペーパーの代わりとなって、鼻水にまみれてしまったのです。
哀しくって、情けなくって、キャップには申し訳なくて、私は思わず「チョーむかつく!」とつぶやいていました。



キャップで鼻を.jpg

そうして、この一件でへこんだ心がまだ癒されないうちに、差しかかったのは笑うしかないような急な上り。

急な上り.jpg

それでも、このコースのビュースポットの一つである俵島とその手前の棚田を見た時は、心がホッと和みます。

俵島と棚田.jpg

向津久小学校の子どもたちも、元気に声援を送ってくれました。

小学生の応援.jpg

この後も、200メートル近い上りを超えていきます。

上ったり下ったり.jpg

この日は、曇り空ながら意外にも蒸し暑く、かぶり水をするランナーも多くいました。

かぶり水.jpg

立石漁港にある立石観音には、そっと手を合わせて通り過ぎます。

立石観音.jpg

さらに100メートルほどのきつい上りと下りをこなしたあと、元乃隅稲成神社(もとのすみいなりじんじゃ)へ差しかかりました。それにしても、123基の鳥居が並ぶ光景はまさに壮観です。

元乃隅稲成神社.jpg

なお、ここを少し過ぎたことろが中間点になります。時刻は午前11時28分で、スタートしてから5時間28分たっていました。ゴール関門は19時、スタート後13時間なので十分余裕がありそうですが、後半には300メートル級1つと、200メートル級2つの大きな上りが控えており、これ以降が文字通りの山場。油断は禁物でした。


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posted by との at 05:41| 鳥取 ☁| Comment(0) | 走る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする