2018年04月30日

第20回奥熊野いだ天ウルトラマラソン(後半)



中間点から1キロほど走り、円満地公園エイドに着きました。ここで“健脚食”として出されているのは、鹿の焼き肉。
なにを隠そう実は私、すべてのエイドのメニューを事前にチェックしてこの大会に臨んだのですが、もっとも楽しみにしていたのがこれでした。



円満寺公園エイド.jpg



さっそくお目当ての鹿肉コーナーの前へ行くと、何人かのランナーがもの珍しそうな表情で、肉が焼き上がる様子を見ていました。ところが誰一人、これに手を出そうとしません。
私は、「いただきます」と言うが早いか、一切れとって口に運びました。塩と醤油で辛めの味付けがしてあり、肉そのものはさっぱりした食感です。「うまい」と、もう一切れパクリ。それでも周りにいるランナーは、やはり見ているだけ。皆さんが食べないなら、私がその分も食べてさしあげましょうとばかり、パクリパクリ・・・と結局、5切れか6切れ食べました。

鹿肉.jpg

鹿肉を力一杯食べ終えてふと見ると、そばのテーブルにある「色川の平飼有精卵」の文字が目に入りました。これは、事前に配布されていたエイドのメニュー表にはなかったものです。胃袋はすでに肉で満たされていましたが、自然の中で無農薬野菜をエサにして育った鷄が生んだというこの卵を食わねば一生の不覚と、こちらも二ついただきました。

さらに色川紅茶と梅ジュースもいただいて、おもむろにこのエイドを後にします。



色川の平飼有精卵(51キロ).jpg

同時にエイドを出た女性ランナーに、「鹿肉を食べましたか?」と聞いたら、「いいえ、もたれそうなのでやめておきました」との返事。誰も食べようとしなかったのは、そういうことだったのかと納得しました。

この後、3つ目の上りにさしかかったところで、ほとんどのランナーが歩き始めます。ゆっくりペーストとはいえ、走っているのは私くらい。幸いにも私は胃がもたれることもなく、「鹿肉パワーで、Go!」と、ここを走り続けることができました。

3つめの山越え.jpg

それから坂の勾配は一段ときつくなり、上りというより“登り”というべきところもありましたが、ここでは平飼有精卵のパワーも使ったハイブリッド走法で、粘りの走りをみせます。

激登り.jpg

この登りを終えたところで振り返り標識を見ると、この部分の斜度は16%。私が利用しているジムのトレッドミルで調整できる最大斜度が15%ですが、これをしのぐ急勾配でした。

斜度16%の上り坂.jpg

さて、次のエイドで待っていたのは、目にも鮮やかな真っ赤っかなイチゴ。『遠慮は体に悪い』を座右の銘にしている私なので、こんなにたくさんあるときは、もちろんたくさんいただきます。



いちご(54キロ地点).jpg

さらに上りは続きますが、この先ではいったん左折し、ピークで折り返してから、再び元のコースへ帰ってくることになります。

あと3キロで折り返し.jpg



折り返してくるランナーと対向するときは、互いに「ファイト」「ナイスラン」などと声を掛け合います。

声をかけあう(57キロ地点).jpg

この日は全国的に気温が高かったようですが、当地でも最高気温が25度になる夏日。折り返し地点にあるエイドでは、頭から水をかぶるランナーの姿もありました。

水をかぶる(59キロ地点).jpg

折り返した後は下り坂。しばらくは重力に身をあずけ、体力を温存しながら進みます。上ってくる時は目に入らなかった石積畦畔の棚田と、さらにその上にある段々畑の茶園風景に、心がホッとするようでした。

棚田と段々畑.jpg

次のエイドでは、具沢山なソーメンをいただきます。

そうめん(76キロ).jpg

お茶の産地だけあって、エイドで出される茶がゆもひときわ美味しかったです。実は前半でもこれを食べており、この日2杯目となるものでありました。

茶がゆ(66キロ).jpg

70キロ地点を通過したのが午後1時30分。中間点からの20キロに2時間50分を要しており、ペースがだいぶ落ちてきたことを知ります。

70キロ地点.jpg

75キロ地点を少し過ぎたところにある私設エイドでは、ドリンクを飲んでいた女性ランナーにお兄さんが、「赤ワインもありますよ」と勧めていました。お茶をもらおうとした私には、「ビール飲みませんか」と悪魔のささやき。私は、「それだけは勘弁してください」と笑って受け流し、この難関を無事にすり抜けました。



私設エイド(76キロ).jpg

80キロ地点の通過は午後3時前と、ピッチはさらに落ちています。



80キロ地点通過.jpg

しかし、この先のエイドで提供されていたのは、目の前で生搾りされる正真正銘の100%みかんジュース。これをいただいて元気を回復し、気持ちだけピッチを上げていきました。

絞り立てみかんジュース(81キロ).jpg

『おかえり ナイスRUN』と書かれたボードを見たのは83キロあたり。午後7時40分のゴール関門時刻には十分余裕があり、心配していたガラスの膝が機嫌を損ねる気配もないことから、ここで完走を確信します。



残りは見えてきた(84キロ).jpg

最後に待ち構える山越えに備え、84キロ地点のエイドで豆腐を2カップいただきました。

とどめのとうふ(84キロ).jpg

ここからは、山頂までの6キロで標高を300メートルほど上げていきます。斜度は平均5%ほど。普通なら駆け上がる斜度ですが、さすがに消耗したのか、ほどんどすべてのランナーが歩きになっていました。

私はゆっくりペースながら、ここで歩かず走り続けてみました。1キロ行ったところで計測したら、キロ9分のペースで走れています。歩けば、キロ13分はかかるでしょう。1キロあたり4分の差ですが、6キロなら24分稼げることになります。チャンスととらえてピークまで走り続け、この間に、65キロ部門のランナーも含めた20人以上を追い越しました。

最後の上りを歩くランナーたち.jpg

山下りの区間では5人ほどのランナーに抜き返されましたが、平地に入ると残りは4キロ。最後の力を振り絞って走ります。


残り3キロ.jpg


ゴールの補陀洛山寺(ふだらくさんじ)では、テープを持つ高貴な姫君の姿に一瞬たじろいだものの、笑顔でこれを切ることができました。



ゴールテープ.jpg

会場では、うどんとぶた汁とぜんざいが無料でサービスされています。



うどん無料サービス.jpg

しかし、コース上のエイドの食べ物ですでに満腹状態だった私はこの列に並ばず、これまた無料で振る舞われるキリンの「のどごし生」だけもらいました。

これを飲みながら記録証を見ると、後半のペースダウンが大きかったためにタイムはよくありませんでしたが、順位は総合で“168位”。エントリーが550人くらいと記憶していたので、前から3分の1くらいの順位だとわかりました。



完走証とビール.jpg

それにしても、このところ不調が続いており、真ん中よりいい順位で入ったのは久しぶりです。好結果の要因は何かといえば、レース中にずっと食べ続けることができたからに他なりません。これは「無欲の勝利」ならぬ「食欲の勝利」、より正確には「食意地の勝利」とでもいうべきものです。
韋駄天の神様、どうもごちそうさまでした。




(私の記録)

タ イ ム 12時間47分41秒

総 合 順 位 168位/501人(100Km出走数)
部 門 順 位  60位/191人(100Km男子50歳以上・出走数)

総合完走率 74.3%(372/501人・出走数)

部門完走率 73.8%(141/191人・出走数)






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ラベル:ウルトラ
posted by との at 10:07| 鳥取 | Comment(0) | 走る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月26日

第20回奥熊野いだ天ウルトラマラソン(前半)


4月22日(日)は、「奥熊野いだ天ウルトラマラソン」に参加しました。
以前から出てみたかった大会ですがなかなか都合が合わず、ようやく実現した今回は期せずして、「第20回」の記念大会でした。

部門は100キロと65キロ、また私は対象外ですが65歳以上のランナーのみ参加できる80キロ部門もあります。長いのを好む私がエントリーしたのは、もちろん100キロです。

100キロ部門のスタート時刻は、まだ陽も明けやらぬ午前5時。会場の那智の滝の前はすでに4時半頃には、大勢のランナーで埋め尽くされていました。

[那智の滝の前に集うランナー(fhoto by H-Kongou)]
那智の滝(Fhoto by 金剛)3.jpg


そこでは護摩が焚かれており、ランナーたちは、それぞれの願いが書かれた護摩木を炎の中へ投げ込みます。私が用意してきたのは、“家内”が書いた「家内安全」という護摩木。どうやら私の安全が保障されるわけではなさそうですが、奥方の安全を願って祈りをささげました。

護摩木を焚く.jpg

打ち鳴らされる太鼓の音に共鳴したのか、胸の鼓動も高まります。

太鼓演奏.jpg

そしてスタート。落差133メートルの那智の滝に見守られながら、133段の石段を駆け上がってロードへ出て行きました。上り基調の序盤は、7キロまでに300メートルほど標高を上げます。実力にそぐわず前の方からスタートした私はこの間、周りのランナーに次々とかわされていきました。

暗がりに飛び出す.jpg

しばらくすると夜が明け、朝日が眩しく感じられます。

序盤の登り坂.jpg

上りがあれば、次は当然下り。ピークを越した後は、10キロほどの間に500メートルも標高を下げます。下りが苦手な私ですが、ここではさほど順位を落とさずに進むことができました。



下りも快調(12キロ).jpg

ところでこの大会ではエイドが32カ所もあり、しかもメニューがとても充実していると聞いていました。エネルギー補給が欠かせないウルトラでは、「いかに食べ続けるか」ということが非常に重要です。
ということで、ほぼすべてのエイドに立ち寄り、舌鼓を打つことになります。
まずは、おいしい豆腐を“するり”と胃袋に流し込むと、

豆腐(22キロ).jpg

次は、この地方の郷土料理で、高菜の葉で包んだおにぎり“めはり寿司”をいただいてカロリー補給し、

めはり(44キロ).jpg

さらには、水羊羹で糖分摂取。

水羊羹.jpg

そうめんで小腹を落ち着かせたかと思ったら、

そうめん( 29キロ).jpg

すかさず、みそ汁で塩分も補給。

みそ汁(48キロ).jpg

とまあ、こんな調子で食い物に熱中している間にいつしか2つ目のピークも越しており、ぜんざいをいただいたのは、すでに48キロ地点となる口色川のエイドでした。

ぜんざい(48キロ).jpg

ところで口色川といえば、「にほんの里100選」の一つである色川地区にある9集落の一つですが、山懐に暮す約60世帯130人のうち、3分の1は町外からの新規定住者とのこと。

ちなみに色川地区全体では、移住者が住民366人の45%を占めるまでになっているそうですが、有機農業を実践する人たちが移住したのをきっかけに新規移住者が相次いだということです。



[口色川集落と棚田]
口色川の集落.jpg

さて、

50キロ地点の通過タイムは5時間40分。300メートル級の2つの山越えがあったことを考えれば、自分としては悪くないものでした。後半も同程度の山越えが2つあることと、どうしてもペースは落ちるものなので、ここで後半の目標を6時間20分、ゴールで12時間とします。
しかし現実は、やはりそんなに甘いものではありませんでした。

中間点.jpg






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posted by との at 10:53| 鳥取 ☁| Comment(0) | 走る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする