2017年09月02日

DAISENーGURURINPA


大山の裾野をぐるりと囲む環状道路を一周するランは、今までに3回経験しています。私がこれをやる時は、いつも一人。その理由は、63キロという距離もさることながら、累積標高差1,691メートルにもなるハードなアップダウンが、気軽に走友たちを誘い込めるものではないと思っていたからです。
とはいえ私以外にも、このコースにチャレンジする変人たちは稀にいるようです。一部のキワモノ趣味のランナーたちが、これを『大山グルリンパ』と称し、秘かな楽しみにしていることは薄々知っていました。

そんな中、走友である岡山のたんげさんが、大胆にもこれを走る仲間内イベントを『DAISENーGURURINPA』と銘打ちプロデュース。地元に住んでいる私としては、「据え膳食わぬは男の恥」とばかり、決して重くはない腰を“ヒョイ”と上げ、これに参加したというものです。

[コース図・たんげさん作成]



さて、決行の日となった8月26日の土曜日に、大山情報館の駐車場に敢然と集結した勇者は総勢17人。呼びかけ人のたんげさんの地元である岡山からの参加が多いのは予想どおりでしたが、奈良や大阪、京都や香川などから駆けつけたランナーもいました。ちなみに県内からは、いずれも西部在住のテッシーさんとアッキーさん、それに私の3人だけでした。

駐車場で.jpg

スタートは午前6時のはずでしたが、そこは“ゆる〜い”仲間内企画。みんな慌てず騒がずにゆっくりと準備をし、6時25分になってようやく、「そろそろ行くかあ」と走りはじめました。

スタート直後.jpg

それにしても、みんな早い。というより私が遅い。桝水高原までの微妙に下る4キロほどの間に、前を行く“ヘンタイたちの編隊”からしだいにひき離されていきます。二の沢を通過する頃には、私の後を走るランナーは、1人か2人になっていました。


二の沢の手前.jpg

スタートしてから14キロほど走って御机を越えると、鏡ケ成までずっと続く上り坂に差しかかります。ここで、道路脇の立ち木に「クマ出没 注意」の貼紙。念のためにクマ鈴は持っていたものの、少し不安になりました。

クマ出没 注意.jpg

それでも、ブナ林を抜けて左手に烏ケ山が見えてくれば、鏡ケ成まではあとわずか。しかし、あいかわらず私のピッチは上がりません。この時点で、ビリから2番目だったと思います。

烏ケ山.jpg

20キロ地点の鏡ケ成休暇村の前にさしかかったのが、午前9時10分。タイムロスを嫌ってスルーしようとしたとき、ここから出て来る2人の女性ランナーが見えました。お互いに手を挙げ、エールを交わします。

休暇村.jpg

岡山からやってきたというこの美ジョガーペアMさんとIさんとは、下りに入ってから抜いたり抜かれたりしていたのですが、私が一旦先に出た後、コース上にその姿を見ることはありませんでした。
そしてゴール後に知ったのですが、この2人は約30キロ地点の地蔵峠のあたりの分かれ道で、左折すべきところを“迷わず”直進し、倉吉市方面へずーと進んでしまうという見事な道迷い。あるはずのないコンビニの出現でミスに気づいたものの時すでに遅く、完走は諦めてヒッチハイクでコースへ復帰しようと試みたそうです。幸いにも優しい自衛隊のおじさんに拾われて、なんと40キロも離れたゴールまで送り届けてもらってハッピーエンド。この逸話は、参加したランナーの間で、末永く語り継がれることでありましょう。


やがて迷子になる2人.jpg

さて、私はその後、テッシーさんなど3人のランナーに追いつき、しばらく話をしながら走りました。テッシーさんたちは、少し日射しが強まってきた中を、道ばたのカカシと記念撮影をするなどして、エンジョイランニングを満喫しているようでした。

カカシと記念撮影.jpg

三本杉集落のT字路を左折して船上山までの山越えの道に入ると、道幅がとたんに狭くなります。ここを車が通ることはほとんどなく、たまにサイクリング車が走る程度でした。

サイクリング.jpg

この山を越えたあとで、船上山ダムの堰堤を渡ります。湖面から上方へ視線を移すと、凛々しくそびえ立つ船上山の岩肌が見えました。この地点で約44キロなので、コースの3分の2を走ってきたことになります。疲れはピークに達していましたが、上り坂でも脚を止めることはせずマイペースで走り続けました。

船上山とダム湖.jpg

約55キロ地点の香取高原から62キロの豪円山までずっと上りが続きますが、この間に1キロほど、道路が一直線に延びているところがあります。まるでその先にある山へ吸い込まれていくかのように錯覚するこの光景に、新鮮な感動を覚える私でありました。

一直線の道.jpg

豪円山への上りの途中で、先行するランナーの赤いウェアが視界に入ったのでこれを追いかけ、一時は100メートルまでその差を縮めます。しかし、終盤に再び引き離されてしまい、順位を変えることはできませんでした。

赤シャツ.jpg

それでも、午後4時18分に情報館の駐車場へ帰着。タイムは9時間53分と、目標としていた10時間をかろうじて切れたので、私としては上出来のランと言えるものでした。

ゴール地点.jpg

そしてこの後は、ペンション村のゲストハウス「大山バックパッカーズ」へ移動し、「ビール・日本酒、焼酎攻め」で、ランでは鍛えられない肝臓を集中的にトレーニング。それにしても、この宴に用意されていた500mlの缶ビールは、なんと100本。昼間のランとは打って変わってハイペースで飛ばした私ですが、下戸なので3本半で白旗を上げてしまいました。

宴会.jpg

さらに、翌日午前のプログラムは大山登山。さすがに走って登ることはしませんでしたが、登山開始から100分で山頂に着き、“GURURINPA”と四方の山を見おろす、我らヘンタイ集団でありました。

山頂で.jpg


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posted by との at 23:12| 鳥取 ☁| Comment(0) | 走る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月13日

なかばトレイル蒜山2017


8月12日(土)は、岡山県の蒜山三座を駆け巡る「なかばトレイル蒜山2017」に出場しました。この大会では、総距離24キロのうちトレイルが11キロで、残り13キロは主に自転車道というコース設定となっています。
さて、昨年のエントリー数は119人だったのに、今年はわずか59人。ほぼ半減したのは、昨年の大会での尋常ではない暑さに、多くのランナーが怖れをなしてしまったためかもしれません。
ところが今年は昨年と打って変わり、小雨が降ったり止んだりと“涼”を感じさせる天候となりました。過去6回参加した私の経験では、始めから終わりまでずっと涼しかったのは、今回が初めてのことです。
スタートは午前7時。蒜山高原スポーツ公園そばの自転車道から出て行きます。天気がよければ視界の先にあるはずの蒜山の山並は、深い靄に包まれ、その姿を見せていませんでした。

自転車道からスタート.jpg

走りだしてから3分ほどたったとき、併走していたランナーが私に、「虹が出ている」と教えてくれました。前を行くランナーの背中ばかり見ていた私は、言われて初めてそれに気づきます。虹の円弧は、はるか先にあるゴールゲートのようでもありました。

虹が出ていた2.jpg

そしてこの時、昔々その昔、青春時代真っただ中だった私の心のアイドル天地真理が歌っていた『虹をわたって』のフレーズが、突然脳裏に去来したのです。


♪ 虹の向こうは (マァリちゃん!)
 晴れなのかしら (マァリちゃん!)
 あなたの町の あのあたり
 小さな傘が 羽根になるなら
 今すぐとんで ゆきたい私・・・
 
ああ、思い出せば胸がキュン! あのころ真理ちゃんは「白雪姫」と言われていました。もちろん天使のようなその微笑みは私だけでなく、ブラウン管内蔵型テレビ(液晶テレビなんてもちろんまだ無い)を通じて、世の男子たちに平等かつ公平に振りまかれたものであります。
私はしばらく、
「♪ 虹の向こうは (マァリちゃん!)、晴れなのかしら(マァリちゃん!)」と、心の中で歌いながら走っておりました。

しかしふと見渡せば、周りにいるのは大半が20台から40台の若いランナーたち。真理ちゃんに心を焦がした世代は、この群れの中にせいぜい2人か3人しかいないようです。虚しさを感じた私は、走りに集中することにしました。
ということで真理ちゃんのことはひとまず忘れ、3キロほど走ったところで山へと入っていきます。

山へ入っていく.jpg

はじめに取りつく下蒜山は標高1100m。スタート地点の標高が346 mなので、約750mほど高度を上げることになります。けっこうきつい登りなので、滑りやすい斜面にはロープや鎖が垂れ下がっています。

下蒜山のきつい登り.jpg

深い霧が立ちこめており、視界は50mから100m程度でした。

下蒜山の登り坂.jpg

下蒜山の山頂到着は8時7分。霧はますます深くなり、当然ながら下界はまったく見えません。

下蒜山の山頂.jpg

ここからは一旦820 mの鞍部まで下がり、1123mの中蒜山を目指します。雨で滑りやすいところもあり、慎重に進んでいきました。

下蒜山の下り.jpg

中蒜山到着は8時59分。相変わらず遠望はできないので、止まることはせずに先を急ぎます。


中蒜山山頂.jpg

次は985 mの鞍部を経由し、標高1200mの上蒜山へと向かいます。植物にはさほど関心がない私ですが、下っていく途中で目にした何種類かの高山植物に、心を癒されている自分に気づきました。

高山植物.jpg

上蒜山への登りは比較的短いものの、滑りやすい岩場や、きつい登りの連続なので、力を使い果たしたのか脚を止めてしまうランナーもいます。

上蒜山の登り2.jpg

最後の頂を越えて下りに入り空が少し明るくなったとき、進行方向右側の樹木が途切れて視界が開けました。なんということでしょう、その時、再び虹を見たのです。しかも眼下に・・・。

眼下に虹.jpg

生まれてこの方、たぶん百回以上は虹を見ているでしょうが、足元より下に見たのは初めてでした。そしてここでも、あのフレーズが聞こえてきたのです。

♪ 虹の向こうは (マァリちゃん!)
  晴れなのかしら (マァリちゃん!)・・・

嬉しくって、切なくって、哀しくって・・・。思わず虹に向かって「真理ちゃ〜〜〜ん!」と叫んでしまいそうでしたが、かろうじて理性の力が勝り、この衝動を抑えました。私って、やっぱり大人ですよね。

山を下りたら、牧場を横切ってロードへ出ていくのですが、ちょうどその時、ジャージー牛が群れをなしてこのポイントを通過していくところでした。なかなか切れ目ができませんでしたが、すきを見て私は、この交差点を手を挙げながら渡り切ることに成功しました。

ジャージー牛.jpg

そして2キロほどロードを走ってから、最後の自転車道へ入ります。ここまでくれば残りは8キロ。前後にランナーの姿はなく、競い合う相手がいないことからペースは上がりませんでしたが、時おり降り注ぐ小雨に濡れながら、「マイペースのラン」でゴールへ邁進していきました。

雨の自転車道.jpg




(私の記録)
タ イ ム  4時間23分06秒
総合順位  25位/52人(出走数)
完 走 率  96%(50/52人)



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ラベル:トレイル
posted by との at 21:36| 鳥取 ☁| Comment(2) | 走る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする